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神様の音

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 今朝の通勤時に聴いたのは、ブラームスの『ヴァイオリンソナタ 第1番 op.78 <雨の歌>』でした。<雨の歌>の由来は、第3楽章に、同名のブラームスの歌曲が使われているからなのですが、この時期に聴くと、しっくりくる感じがするのは、何故なのでしょうか。
 この曲は、アイザック・スターンさんの演奏がとても好きです。澄んだきれいな音は、何回も聴きたくなります。誤って録音ボタンを押してしまい、曲の1部分を消してしまったので、CDを探しているのですが、なかなか手に入れられずにいます
 以前に、アイザック・スターンさんのセミナーの様子をテレビでやっていたのを見たことがあります。自分が求める音を探して作り出していくのに、どれだけの時間や労力を費やしているのかがすごく感じられました。セミナーを受けた生徒さんが「(アイザック・スターンさんは)やっぱり、神様だった」と言っていたのが印象的でした。
 アイザック・スターンさんは「神様」と呼ばれていましたが、演奏の芸術性だけでなく、音楽に取り組む姿勢そのものも、凡人では真似のできないレベルにいた、まさに神様だったのでしょうね。6年前に亡くなってしまったので、神様のヴァイオリンがもう聴けないのは、本当に残念です
 「ちらり〜ん、鼻から牛乳」という替え歌でおなじみ、バッハの『トッカータとフーガ』という曲があります。もともとはパイプオルガンの曲なのですが、朝の通勤時に聴いていたNHK・FMの放送で5種類の演奏を聴いて、またしてもバッハの曲の器の大きさを感じてしまいました
 まずオリジナルのオルガンで、たっぷりとした重厚感を味わいます。次は、オーケストラVerで軽く箸休めをした後には、ジャズトリオVerが流れてきました。初めてこの演奏が発表されたときは、「バッハの曲が壊された」という意見もあったそうですが、ピアノとベースとドラムがうまく絡みあっていて、個人的には、もう一度聴いてみたいと思いました。逆に、クラシックを聴きなれない人は、いきなりオリジナルを聴くよりは、このバージョンの方が、親しみやすいかもしれません。
 それから、琴Verと続き、おしまいはシンセサイザーまで登場していました。これだけ演奏する楽器によって、かなり印象が変わりつつも、原曲にあるよさは失われていないところが、この曲の凄さです。
 バッハの曲は、全体的にシンプルといっていいでしょう。それゆえに、演奏によっては単調で退屈に聴こえてしまう怖さがあります。でも、こんなに、さまざまな楽器で取り上げられているというところをみると、この曲の大きな魅力を感じずにはいられません。
 今回は5変化でしたが、他の楽器の可能性も考えられるので、また、機会があったら聴いてみたいです

片手のピアニスト

風のしるし-左手のためのピアノ作品集 風のしるし-左手のためのピアノ作品集
舘野泉 (2004/12/01)
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
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 舘野泉さん。私にとっては、小さい頃放送されていた、NHKの『ピアノのおけいこ』で、ピアノの上に、人形やおもちゃが飾ってあり、「楽しくピアノを弾きましょう」という感じのやさしそうな先生という記憶があります。大きくなってからは、グリーグやシベリウスなど、北欧の作曲家の作品の名盤を残しているピアニストというイメージでした。
 舘野泉さんが脳溢血で倒れたのは2002年。一見、ピアニストとしては、致命的ともいえる右半身不随となってしまいました。最初は、両手ともなかなか動かすことができなかったそうです。それでも、2004年、舘野さんは、左手を使っての演奏活動を開始。以前から、その演奏会を見ようと思っていたら、今日、その機会に恵まれました。
 音楽の力を感じずにはいられませんでした。左手だけの演奏なのに、引き込まれてしまうのです。先日読んだ雑誌に、息子さんがそっと置いていった楽譜を弾き、左手での演奏に目覚め、音楽をするのに、左手、右手、両手というのは関係ないと納得した、とありました。
 伝えたいことがあるのなら手段はある…。受け手の私の器があまり大きくないので、舘野さんの伝えようとしていることが、きちんと受け止められているか自信はありませんが、心を動かされたのは確かです。 
 普段、当たり前だと思っていることが、突然、そうではなくなったら…。それでも、こうして人を感動させることができるなんて、改めて尊敬してしまいます。今日もまた、音楽を楽しめる喜び。忙しい毎日の中で、忘れがちになってしまうことですが、大切に味わいながら毎日を過ごしていけたら…と思いました

遅すぎた出会い?

バッハ:イタリア協奏曲 バッハ:イタリア協奏曲
グールド(グレン) (2000/11/01)
ソニーミュージックエンタテインメント
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 初めてグレン・グールドのピアノを聴いたとき、思わず、ひっくり返りそうになっちゃいました。今まで聴いてきたバッハとはあまりにも違いすぎたからです。グールドのバッハは、とにかくテンポが速い。その速さがものすごくカッコよくて、ぐいぐいと引っぱられます。そして、気が付くと、また聴きたくなっているという麻薬性のある音楽なのです。私が、音楽を専門的に勉強しようと思って、練習していたときは、いまひとつ、バッハの魅力に気が付くことができずにいたので、もっと早くにグールドのバッハに出会えていればと思ったものです。
 『グレン・グールド 27歳の記憶』という映画があるのですが、初めて観たのは、ちょうど映画の中のグールドと同じ27歳のときでした。グレン・グールドのドキュメンタリー映画で、何度見ても新しい発見があって、結局、映画館で2回、ビデオで1回、観てしまいました。この映画で、グールドが弾いていたのが、『イタリア協奏曲』です。
 グレン・グールドを説明するとき、「異端」という言葉がよく使われます。この映画の頃は、演奏会もよく行っていましたが、晩年はスタジオにこもり、活動の中心を録音に拠いていました。また、ピアノを弾きながらメロディーを口ずさむというのも、他のピアニストにはない特徴かもしれません。『グレン・グールド 27歳の記憶』でも、レコーディングのときに、グールドの歌をマイクが拾わないように、スタッフが工夫しているというシーンがあって、印象的でした。
 でもでも、一度聴いたら、かなり忘れられなくなる、グールドの音楽の世界。もしまだの方は、お試しあれ
ピアノ発表会名曲集ベスト ピアノ発表会名曲集ベスト
オムニバス(クラシック) (1999/05/08)
ユニバーサルクラシック
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 先日、NHK・FMで、『ブルグミュラーの25の練習曲』がかかっていました
 ツェルニーと並んで、ブルグミュラーを教則本として使うのには、賛否両論ありますが、私は習うことができてよかったと思っています。それまで、いかにもな練習曲をやってきていて、初めてメロディーがきれいな曲が弾けるのが嬉しかったし、ひとつひとつの曲にタイトルがついていて、自分なりにイメージを膨らませるのが楽しかったんですよね。ピアノを弾くことの楽しさを知った曲たちで、いとおしいです
 ピアノを習ったことがあるならば、この練習曲を弾いたことがある人も多いのではないでしょうか。たまたま、母と聴いていたのですが、母も25曲全曲弾いたことがあるので、「この曲は、皆、こう弾いてたよね」…なんて話で、結構、盛り上がりました。でも、プロのピアニストの『ブルグミュラーの25の練習曲』は、かなり興味深いです。曲のテンポや表現力が違うので、まるで別の曲のように聴こえてきます
 でもそれは、ピアノに限ったことじゃないんですよね。同じ風景を描いているのに、違う印象を受けるマネとモネの絵しかり。踊り手によって、同じ曲でも、何通りもの解釈が生まれるバレエしかり
 この『ブルグミュラーの25の練習曲』を聴いて、皆さんが、自分はどう弾いていたのか思い出してみるのも、おもしろいかもしれませんね
 

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