花火より男子

ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 スペシャル・エディションニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 スペシャル・エディション
(2006/03/03)
フィリップ・ノワレ

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 ベタかもしれませんが、いちばん好きな映画は…、と聞かれたら、『ニュー・シネマ・パラダイス』と答えます
 この映画は計5回観ているのですが、初めて観たのは、私が高校生の頃でした。
 それまで、ずっと映画館へ行くことを禁止されていたのですが、進学する学校も決まって、あとは高校を卒業するばかりとなった頃、友達と学校を抜け出しました。そして、できたばかりのマイカル本牧の映画館へ…。
 この、『ニュー・シネマ・パラダイス』の中では、映画館にやってくる、さまざまな人が描かれています。そんな人たちと、同じ場所で同じ映画を観て、同じシーンで泣いたり、笑ったり…。映画館で映画を観るってステキだなと思ったものです。
 それに加えて、当時は、禁じられていることをこっそりやるというスリル、そして、映画館に来ることを禁じられつつも、映写技師のアルフレードと交流を深めていく、主人公トトに、ほんの少し、自分を重ねて観たということもあったのかもしれません。映画の魅力を教えてもらった、忘れられない1本となったのでした。
 映画の内容だけでなく、劇中に使われているエンニオ・モリコーネさんの曲も、大好きなのです。この曲を聴いただけで、涙がこみ上げてきてしまいます。去年、エンニオ・モリコーネさんの指揮で、オーケストラでこの曲を聴いたときは、やっぱり、感動して泣いてしまったものです。
 こんなに思い入れがある曲を、今、一番好きな人達の演奏で、昨日と今日と続けて、聴いてきました。神奈川フィルのコンサートマスターを務める石田泰尚さんと、同フィルの主席チェロ奏者の山本裕康さんのデュオ、『Duo』のDVDが発売され、それを記念したDVD上映会と、某楽器店のインストアイベントへ、連日、出かけてまいりました
 エンニオ・モリコーネさんは、弦楽器が好きで、この『ニュー・シネマ・パラダイス』も、弦楽器を意識して作ったという話を聞いたことがあります。だから、ヴァイオリンとチェロのデュオで聴けて、最高でした。
 本日の横浜は、花火大会が開催されていました
 石田さんも、
「今日は、花火大会があるのに、こちらに来てくださって、ありがとうございます」
 とおっしゃっていたのですが、私にとっては、花火大会よりも、貴重な時間なのです。
 この夏、『ニュー・シネマ・パラダイス』は、私にとって、また、特別な存在となりました。
 ライラックの花は、ふつう、先が4つに分かれているのですが、稀に、5つに分かれているものがあって、それを黙って飲み込むと、願いが叶うそうです。その言い伝えは、ラッキー・ライラックというのですが、それを初めて知ったのは、小さい頃に読んだ少女マンガ、あさぎり夕さんの『あいつがHERO』の中でした。
 主人公の初恋の人は、大好きな童話に出てくる「ライラックの君」。でもそのライラックの君には実在のモデルがいて、それは、自分のとても身近にいる人だった…というように、ライラックは、物語のキー・アイテムとなっています
 現在、公開中の『ラフマニノフ ある愛の調べ』で、ラッキー・ライラックのことが触れられていたので、ふと、このマンガのことを思い出しました。映画でも、ライラックが、要所要所に現われます。主人公ラフマニノフの回想シーンで登場する、小さい頃に住んでいた家の庭にはライラックが咲き乱れていたし、初恋の人に贈っていたのは、決まってライラック。名曲、『ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調  Op.18』 が生まれたときも、そばにライラックがありました。そして、有名になったラフマニノフの演奏会には、いつしか、贈り主不明のライラックの花が届くようになるのです。ラストで、贈り主が誰なのか、分かるのですが…
 印象的なシーンがある映画は、人気が高いという記事を読んだことがあります。この映画が好きだと思う人は、そういうシーンが必ずあるのではないでしょうか。とにかく、画がキレイで、特に、ラフマニノフの子供時代の家のシーンには、うっとりしてしまいました
 ちなみに、私のお気に入りは、その家で、ラフマニノフが、自分を支えてきてくれた従姉妹に、プロポーズするシーンです。従姉妹との思い出が詰まったその家は、もう、自分の家ではありません。ラフマニノフが子供の頃、家が破産してしまい、手放してしまったからです。それを踏まえたうえでの、
 「いつか、この家を取り戻して、一緒に住もう」
 …と、ラフマニノフが言うのです。オンナとして生まれたからには、ぜひ、言われてみたいものです。年甲斐もなく、そう思ってしまいました
 もし、おもしろそうだなと思われた方は、ぜひ、観に行ってみてはいかがでしょうか。上映している劇場は、あまり多くないのですが、お家でDVDを観るよりも、映画館のスクリーンで観ることをオススメします。

<『ラフマニノフ ある愛の調べ』 公式Hp>
 http://rachmaninoff.gyao.jp

 

古きよきモノ

野ばら野ばら
(2002/08/25)
ミハエル・アンデ、パウル・ヘルビガー 他

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 今年も、ウィーン少年合唱団が、日本にやってきていますね
 かつて、日本公演は、2〜3年おきだったのですが、人気が高まっているからか、ここ最近は、ほぼ毎年、来日しているようです。でも、以前、仕事で関わって、その魅力に触れたとき、ファンの方の気持ちが分かる気がしました。カストラートとはまた違う、ロー・ティーンならではのソプラノの音の響きは、やっぱり、いいものです
 GW中に開催されていた、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」では、有料公演のチケットか、チケットの半券を持っていると、いくつかの無料のイベントが楽しめます。そのなかで、今年のテーマ、「シューベルトとウィーン」にちなんだ映画が観られるというので、ウィーン少年合唱団が舞台となった、『野ばら』を観てきました。ウィーンといえば、ウィーン少年合唱団。それに、かつて、少年時代のシューベルトが在籍していたということもあって、テーマにピッタリの作品だったように思います
 『野ばら』は、ハンガリーの動乱で、みなしごになってしまった少年が、とある老人にひきとられ、ウィーン少年合唱団の一員となるまでを描いた映画です。タイトルになった『野ばら』(使われてたのは、シューベルト作曲の方ではありませんが)は、少年が、合唱団に入団するきっかけになる曲として、使われていました。
 なかでも、実の孫(息子?)のように、主人公のトーニ少年をを可愛がる老人が印象的でした。血のつながりはなくても、無償の愛情を注いでくれる人がいるって、いいなと思うと、こみ上げてくるものが…。ワタシ、人の温かさを感じる映画って、ヨワイんです。また、トーニを母のような愛情で包み込む、合唱団の先生、マリアの優しさも沁みました。
 笑点の林家木久扇さんのオチのように、先が読めるストーリーの展開は、シンプルでしたが、それがまた、この映画の魅力のひとつだったような気がします。それに、なかなか古い時代の映画を観ることがなくなっていたので、かえって新鮮に感じました。名作です
月光の夏 (講談社文庫) 月光の夏 (講談社文庫)
毛利 恒之 (1995/06)
講談社
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 先日、広島で被爆したピアノの演奏会が開かれたというニュースを耳にしました。ドラマや映画で効果的に使われているせいでしょうか、私は、そのピアノで、ベートーヴェンのピアノ・ソナタが聴きたいと思ってしまいました。 
 1年前の、NHKの朝ドラの『純情きらり』で、ヒロインの相手役の達彦が弾いた、『ピアノ・ソナタ 第23番 Op.57<熱情>』は印象的でした。家業を継がずに、ピアニストになろうとする達彦に大反対する母親が、達彦の演奏を聴いて、音楽を続けてもいいと思うようになるというシーンは、名場面ではないでしょうか
 また、ずいぶん前に観たのですが、『月光の夏』という映画があります。鳥栖の、とある小学校に、出撃を前にした特攻隊の2人の兵士が、ピアノを弾きにきました。兵士たちは音大生で、そのうちのひとりが弾いていたのが、『ピアノ・ソナタ 第14番 Op.27-2 <月光>』でした。二ヶ月後、戦争が終わり、そのピアノは保存されることになります。この2人の兵士の話には、まだ続きがあるのですが、興味のある方は、ぜひ映画か本を見ることをオススメします
 戦争という非常事態の中で、ピアノを志半ばであきらめなければいけなかった方は、本当にたくさんいたことでしょう。終戦記念日がくるたびに、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴いてしまいます。ちなみに、今日のBGMは、『ピアノソナタ 第21番 Op.53 <ワルトシュタイン>』でした

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