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心に沁みるピアノ

キーシン4.11-1

 今年、私が、最も楽しみにしていたコンサートのひとつ、エフゲニー・キーシンさんの、ピアノ・リサイタルの日がやってきました
 今回の最大のお目当ては、後半の、ショパンの『ポロネーズ 第7番 変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」』です。
 ずっと、ショパンの曲を聴き続けてきて、いろいろな曲を好きになりましたが、今、いちばん好きな曲は何か聞かれたら、迷わず、『ポロネーズ 第7番 変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」』を挙げます。
 聴くたびに、この曲の新しい一面を見ますし、演奏者によって、曲の表情がガラリと変わることもあり、改めて、この曲の深さを感じさせられます。だから、これから先、何年も何度も聴いていきたいと思う名曲なのです。
 その曲を、私にとって、最高のショパンを弾くピアニストのひとり、エフゲニー・キーシンさんで、聴くことができるなら、どんなことでもしようと思ってしまいます
 曲の冒頭から、引き込まれましたが、聴き終わった後も、ひとつひとつのフレーズが、ゆっくりゆっくり、じわじわと沁みてくるような、いい演奏でした。
 以前、
 「キーシンさんは、CDよりも、ライブの方がいい!」
 とおっしゃているヒトにお会いしたことがありました。
 私は、キーシンさんのCDにも名盤はたくさんあると思うので、まったく同感はできませんが、でも、機会があるなら、キーシンさんの演奏会に行くのは、おススメです。そして、やっぱり、1曲でいいので、そのとき、ショパンの曲を聴きたいですね。今回は、後半のプログラムがすべて、ショパンだったので、本当に、嬉しかったです。
 それから、キーシンさんといえば、アンコール曲を、たくさん弾いてくれるというイメージがあって、私は、過去の演奏会で、最高で7曲聴いたことがあります。でも、本日は、残念ながら、5曲で終了。海外の演奏会で、アンコール10曲弾いたという記事を読んだことがありますが、もう、それくらいのアンコールは聴けないかもしれませんね。キーシンさんのピアノなら、ずっと聴いていたいのですが…。
 次回の来日は、いつなのか分かりませんが、また、逢える日まで…。
 
*プログラム*
プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」から10の小曲 Op.75より
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第8番 変ロ長調 Op.84 「戦争ソナタ」
ショパン:ポロネーズ 第7番 変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」
ショパン:マズルカ Op.30-4
ショパン:マズルカ Op.41-4
ショパン:マズルカ Op.59-1
ショパン:12の練習曲 Op.10より
      第1番 ハ長調
      第2番 イ短調
      第3番 ホ長調「別れの曲」
      第4番 嬰ハ短調
      第12番 ハ短調「革命」
ショパン:12の練習曲 Op.25より
      第5番 ホ短調
      第6番 嬰ト短調
      第11番 イ短調「木枯らし」

*アンコール*
ショパン:ノクターン第8番変ニ長調op.27-2
プロコフィエフ:4つの小品op.4より“(4)悪魔的暗示”
プロコフィエフ:歌劇「3つのオレンジへの恋」より“行進曲”
ショパン:ワルツ第7番嬰ハ短調op.64-2
ショパン:ワルツ第6番変ニ長調「仔犬」

ポーランドの香り



 待ちに待った、ラファウ・ブレハッチさんの演奏会に行ってきました
 前回の来日公演が、2007年の6月。1年8ヶ月という年月は、長すぎます
 それに、なんだか、演奏会の回を重ねるごとに、ショパンの曲の演奏比率が下がっているような気が…
 でも、いいんです。ショパンを弾けるヒトは、他の作曲家の曲を弾いても、ひと味違うと思います。
 前半は、モーツァルトとベートーヴェンのソナタを1曲ずつ。
 ショパンは、モーツァルトの曲が大好きだったそうですが、ブレハッチさんのピアノで聴いたら、誰でも好きにならずにはいられないかもしれません。明るくて、やさしくやわらかく響く音が、素敵でした。あまりに心地よくて、なかには、眠りにおちたヒトも、いたのではないでしょうか
 また、ベートーヴェンの初期のソナタ、『ピアノ・ソナタ 第2番 イ長調 Op.2-2』では、違う魅力を見せてくれました。ブレハッチさんの演奏は、瑞々しく、ひたむきなところがあって、そんなところが、この曲調にあっていたように思います。
 後半のプログラムでは、シマノフスキの『変奏曲 変ロ長調 Op.3』が、とても素晴らしかったです。ショパンと同じ、ポーランド出身の作曲家の、シマノフスキ作品。もっと、聴いてみたくなりました。それから、ポーランドつながりで、パデレフスキの曲も聴いてみたいです。次回のプログラムに入れてもらえないものでしょうか。
 それから、お約束のショパンの曲を聴けて、満足でした。当初、チラシでは、『バラード 第1番 ト短調 Op.23』と、『ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53 <英雄>』だったのですが、『バラード 第1番 ト短調 Op.23』が、『4つのマズルカ Op.17』に変更になりました。でも、ブレハッチさんのマズルカとポロネーズ。遠く離れた、ポーランドを感じました。今頃は、とても、寒いのでしょうね。でも、また、機会があったら、行ってみたいです。
 演奏後は、前回の演奏会ではなかったサイン会があり、長蛇の列ができていました。私もサインが欲しかったので、並びました、長い長い列に。ただ、握手ができなかったのが残念でした。なんと、今回は、握手、禁止だそうで、サインをするブレハッチさんとの間にちょっとした距離が…。たまにしか、こんな機会はないのに、さびしくなりましたが、次回に期待します!
 また、日本に来てくださいね、ブレハッチさん
 
*プログラム*
 モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第16番 変ロ長調 K.579
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第2番 イ長調 Op.2-2
 ショパン:4つのマズルカ Op.17
 ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53 <英雄>
 シマノフスキ:変奏曲 変ロ長調 Op.3

*アンコール*
 ショパン:24のプレリュード Op.28 より 第4番
 ショパン:マズルカ Op.56-2
 ドビュッシー:ベルガマスク組曲 より 月の光
 
 

久びさのショパン



 先日、ミュージカルの『ミス・サイゴン』を見てから、歴史の教科書や、ピューリッツアー賞を受賞した沢田教一さんの写真の知識しかなかったヴェトナムが、ずっと近くに感じるようになりました。
 本日は、ショパン国際コンクールの歴史のなかで、初めて、アジア出身で、優勝を勝ち取った、ヴェトナム出身のダン・タイ・ソンさんのショパンを聴いてきました。1958年にハノイに生まれた、ダン・タイ・ソンさんは、ヴェトナム戦争を経験されていて、戦火の中、ピアノを防空壕に入れて、練習していたそうです
 平和な国に生まれ育ったのに、練習嫌いで、レッスンをサボりまくっていた過去をふり返り、また、ブログのタイトルが、「晴れ、ときどきショパン」のわりには、最近、ショパンの演奏会に行っていないし、演奏も聴いていない…だったので、反省の気持ちをこめて、出かけてまいりました
 ここしばらくの間、情熱的なショパンを好んで聴いてきましたが、ダン・タイ・ソンさんの演奏は、叙情的な感じで、ロマンチックなショパンでした。本日のプログラムの『ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11』は、冒頭部分が『北の宿から』にソックリなのですが、ピアノの音を生かした、本当にメロディがきれいな曲で、ダン・タイ・ソンさんのピアノに、思わず、うるっときてしまいました。やっぱり、ショパンは、沁みますね。
 次は、ベートーヴェンの『交響曲 第5番 ハ短調 Op.67 <運命>』と、同じく、ベートーヴェンの『交響曲 第7番 イ長調 Op.92』が続く、かなり濃厚なプログラム。ピアノ協奏曲で使ったピアノを片付けなければいけないので、休憩をはさんで、後半に、2曲続けて演奏するのかと思いきや、ものすごい勢いでピアノが下げられ、まもなく、『交響曲 第5番 ハ短調 Op.67 <運命>』が始まりました。さすがに、ベートーヴェンの交響曲を2曲続けるのは、肉体的にも精神的にも離れ技に近いのでしょう。
 後半の、『交響曲 第7番 イ長調 Op.92』は、聴くたびに、時代を感じさせない曲だなと思います。きっと、それは、これから何年経っても、変わらないにちがいありません。特に、今日の演奏は、途中から、オーケストラを聴いていることさえ、一瞬、忘れてしまいそうな、不思議な気持ちになりました。この曲の凄さを、改めて、知ったように思います。
 濃厚プログラムを聴き終えて、お腹いっぱいになった私でしたが、帰り道に、相模大野の伊勢丹で開催していた北海道展で、ろまん亭のチョコモンブランを買ってしまいました。かなり前から、ダイエットを始めているというのに、ちっとも効果が出ないのは、このせいなのでしょうが、身も心も大満足です。
 ブラボー、ショパン、ブラボー、ベートーヴェン、ブラボー、チョコモンブラン。

山本貴志I 山本貴志I
(2006/01/21)
ビクターエンタテインメント
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 プロバイダを変えたので、前のプロバイダでレンタルしていたモデムを返送しに、郵便局へ行ってきました。もう、年賀状が販売されているんですね。それを見て、来年の年明けに、ロン・ティボー国際音楽コンクールと、チャイコフスキー国際コンクール入賞者のガラ・コンサートがあることを思い出したので、仕事帰りに、しっかりチケットをおさえておきました。ガラ・コンサートは、普段の演奏会よりボリュームのあるプログラムが組まれるので、おトク感があって好きなんです
 これらのコンクールと並んで、ピアノの3大国際コンクールといえば、ショパン国際コンクールも忘れてはいけません。このコンクールは5年に1回の開催で、前回は2005年の10月だったので、入賞者のガラ・コンサートは、去年の年明けに行われました。4位入賞した山本貴志さんも出場していて、そのとき初めて演奏を聴いたのです。2ヶ月ほど前の演奏会に行けなかったので、本日、BSで放送されたものをチェックしました
 ガラ・コンサートでも弾いた、ショパンの『舟歌 嬰ヘ長調 Op.60』(八代亜紀さんのソレとは、かなり違うので注意デス)が、印象的でした。山本貴志さんは、ピアノを弾いているとき、時おり、鍵盤に顔がつきそうなくらいになるのですが、個人的には、ショパンは、思いをこめて弾く方が好きなので、この独特ともいえる演奏スタイルが好きなんです。巨匠の円熟した演奏もいいのですが、「これから」を期待させるコンクール入賞者の演奏も、聴いているとドキドキしてきちゃいます
 山本貴志さんは、現在、ワルシャワ音楽院在学中のため、ポーランド在住。いつか、横浜みなとみらいホールにも来てくれると、嬉しいのですが、その日が待ち遠しいです




 日本シリーズ真っ只中ですが、海の向こうのメジャー・リーグも、盛り上がっていますね
 WBCで全日本が優勝したときは、友人宅でテレビを観ていたのですが、本当に盛り上がりました。メジャーの舞台で、次々と日本人選手が活躍するのを見ていると、嬉しくなります。野球は、日本のお家芸といっては、まだ、いけませんかね。
 ポーランドのお家芸といえば、ショパンではないでしょうか。
 ポーランド出身ではなくても、優れたショパン弾きはたくさんいます。でも、ショパンの音楽のルーツといえる、マズルカやポロネーズのもつ風土感、独特のリズム感を伝えられるのは、やはり、ポーランドの人であってほしいと思うのです。
 第二次世界中、ナチス・ドイツの攻撃が激しくなるなかで、ポーランドの人々の心の拠り所は、ショパンの音楽であったといいます。ナチスはその拠り所を奪おうと、ショパンの死後、祖国に帰ってきたショパンの心臓を、何度も手に入れようとしました。そのたびに、さまざまな人に守られて、現在、ワルシャワの聖十字架教会に安置されているのです。
 そんな歴史をもつポーランドのピアニスト、ピオトル・パレチニさんの『ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11』を聴いてきました。美しくて力強い音色に、ぐいぐいと引っ張られぱなしでした。また、この曲のナショナル・エディションでの演奏を生で聴くのは初めてだったので、感動も倍増です
 今まで、広く使われていたショパンの楽譜の中には、出版社の編集や印刷の段階などで、ショパン以外の人間が、オリジナル譜の一部を変えてしまって、そのままにされていたものがありました。そこで、ショパンの自筆譜やメモ書きなど、信頼できる資料をもとに、ショパンの意図に忠実になるよう編集された楽譜のことを、ナショナル・エディションというのです。聴き慣れた演奏と、どこが違うのかを聴き比べるのも、楽しみのひとつでもあります。
 ポーランドお家芸のショパン、たっぷり堪能させていただきました。さすが、パレチニさんです

  

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