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 今日は、石田さんが出演する、新しいピアノ・トリオの演奏会へ行ってきました。
 メンバーは、ピアノが清塚信也さん、チェロが金子鈴太郎さん、そして、ヴァイオリンが石田泰尚さん。
 どういういきさつで結成されたのだろうと思っていたら、後半のプログラムの初めに、石田さんが、お話してくれました
 この演奏会場になった、リリスを通して、清塚さんが石田さんとコンサートをやりたいという意向が伝えられたのがきっかけだったそうです。その話が、ピアノとヴァイオリンでは、ピアノが伴奏の役目にまわってしまいがちなので、ピアノ・トリオにしたらどうかという流れになり、チェリストの選択は、石田さんに任されたとのこと。
 今まで共演したことのないヒトを…と考えていたとき、テレビで見た、当時、大阪シンフォニカー交響楽団の首席チェリストだった、金子さんが思い浮かんだそうです。石田さんいわく、
「このオケは、彼が動かしている!」
 と思ったそうです。…が、
「オケなので、彼のチェロの音は、よく聴こえませんでしたが、きっと上手だろうと…」
…って、いいんですか
 でも、そういうところが、石田さんらしいとも思いましたし、実際に演奏を聴いてみて、やわらかで優しく奥行きの広がりを感じる清塚さんのピアノ、ときに情熱的でときに優美な金子さんのチェロ、美しく澄んでいて、ダイレクトに心に響く、石田さんのヴァイオリン、それぞれの音色が溶け合って、いいトリオだと思いました。
 今回の公演は、はじめ、15時からの回のみでしたが、追加公演が決まり、同じ日の19時からと、2回やることに。もちろん、2回とも聴き、2回とも、感動して泣きました
 前半のドビュッシーの『ピアノ三重奏曲 ト長調』で、石田さんのヴァイオリンの音が入った瞬間、「これは、ヤバイ」と思いました。
 ドビュッシーというと、美しいメロディーで綴られた曲というよりは、美しい音色を楽しむという曲が多いように思うのですが、なんの知識もなく、この曲だけを聴いたら、はたして、ドビュッシーの曲だと思うかどうか疑問なくらい、今までのドビュッシーのイメージが覆されました。
 ドビュッシーが18歳のときの作品だそうですが、発見されたのが、1980年。それも、チャイコフスキーのパトロンが、チャイコフスキーに宛てた手紙で、その存在が知らされたという曲だそうです。この曲の美しすぎるメロディーを、この3人が奏でるのを聴いたら、涙が止まらなくなりました
 そして、2曲目の、モーツァルトの『ピアノ三重奏曲 第3番 変ロ長調 K502』は、特に、第2楽章にヤラれました。モーツァルト特有の、ピュアなメロディを、あれだけ、清らかに無垢に演奏されてしまうと、もう、たまりません。昼の部、夜の部、ともに号泣です。
 メンデルスゾーンの『ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調』は、もともと、大好きな曲で、涙必須だと思っていたので、あらかじめ、ハンカチを用意しておりました。そして、案の定、昼の部、夜の部、ともに号泣。マスカラが落ちまくりです。
 また、リリス委託作品の『音祝〜おとほぎ〜 ピアノ三重奏版』は、会場のある本郷台在住の加藤昌則さんの作品。現代曲は、聴く側にとって、理解が難しい曲が多いなか、この曲は、聴きやすく、3人それぞれの、旋律の聴かせどころあり、超絶技巧の披露の場がありで、第1回の演奏会の曲目のラインナップにふさわしいように思いました。追加公演には、加藤さんご本人も、いらしていました。
 まだ、名前が決まっていないこのトリオ、次回の演奏会はすでに決まっていて、なんと、私の誕生日。新しい扉が開かれたばかりで、とてもワクワクしているのと同時に、今年の誕生日は、素敵なプレゼントがいただけそうで、今から、この日が、とても待ちどおしい私です。

*プログラム*
 ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調
 モーツァルト:ピアノ三重奏曲 第3番 変ロ長調 K502
 加藤昌則:音祝〜おとほぎ〜 ピアノ三重奏版
 メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調

*アンコール*
 ビゼー:アルルの女より ファランドール

 ディナーショー、初体験をしてきました
 初めは、金額や場所を聞いて、ちょっとためらいました。一般的なディナーショーよりは低めの価格設定ではありましたが、ふだん行っている演奏会が4〜5回は行けてしまいます。それに、フレンチのフルコースを食べる機会がないので、着ていく服はどうしようとか、自分には場違いなところで、何かしでかしちゃったら…と、いろいろ、考えてしまいました
 でも、今年は、石田泰尚さんと山本裕康さんの2人だけの演奏を、なかなか聴ける機会がなかったので、思いきって、東京・青山の、ブノワ東京へ。
 一般的なディナーショーでは、食事の後に、演奏が始まるらしいのですが(なにせ、今まで行ったことがないので…)、本日は、演奏後に、食事でした。
 演奏は、去年、DUOの演奏会や、インストアイベントで聴きまくった曲が中心で、ちょうど1年前のことを、あれこれ思い出し、懐かしくなりました。まさか、アンコールで、『ニュー・シネマ・パラダイス』を、ふたたび、生で聴けるとは思いませんでした。帰宅したら、むしょうに、DUOのDVDが見たくなり、つい、パッケージを開けてしまいました。
 この日は、パリ祭だったことと、場所がフレンチ・レストランだということだからか、少し、こじつけっぽいところもありながら、プログラムを、フランスと関連づけていて、山本さんの苦労がしのばれました。
ずっと、山本さんが、MCをされていたのですが、最後の1曲だけ、いきなり、
「では、石田くんに、曲の解説をしてもらいます」
…と、石田さんにマイクを渡して、さっさと、楽譜を用意したり、演奏の準備にかかってしまい、石田さんは、
「僕、よく、分からないんですよね、この曲」
…と、何を話せばいいのかオロオロ…というのが、結構、見ていて、おかしかったです。一緒に行った方とも話していたのですが、アレは、石田さんに、事前の確認もなく、ふったのかなと思いました。そんな石田さんと、お茶目な山本さんが大好きな私です
 ふだんの音楽ホール以外で聴く、2人の演奏、とても新鮮でした。
 こういうお店には、ふだん、行く機会がなかったので、いい経験をしたように思います。
 お料理もおいしかったし、ビルの10階が眺める、東京の夜景もキレイでした。 
 石田さん、山本さん、素敵な夜を、ありがとうございました。


*プログラム*
 モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調 K.423 第1楽章
 ラヴェル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ 第1楽章
 アイルランド民謡:ロンドンデリーの歌
 バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ガボット
 ドビュッシー:月の光
 ヘンデル:ヴァイオリンとチェロのためのパッサカリア

*アンコール*
 ニュー・シネマ・パラダイス
 

幕開けの余韻



 実は、私が、毎朝、目覚ましとして聴いている曲は、マーラーの『交響曲 第1番 ニ長調 <巨人>』なのです
 大好きな曲なので、全曲聴きたいところなのですが、それをしてしまうと、完全に遅刻してしまうので、第1楽章のみで、ガマンしています…
 私の勝手な思い込みなのですが、この、『交響曲 第1番 ニ長調 <巨人>』、朝のイメージがします。第1楽章で、夜が明けてばかりの朝もやの森の中を思わせ、第2、第3楽章で、だんだんと、動物や鳥たちが、目覚めはじめ、第4楽章で、ライジング・サン。
 そんなイメージから、朝、聴きたくなって、目覚ましにしているのですが、マーラーにとっては、こんなイメージを勝手にもたれていたら、心外でしょうかね。でも、何かが始まる、そんな予感を漂わせる曲であるように思います。
 今回の神奈川フィルの定期演奏会での指揮者、ゲッツェルさんは、以前に神奈川フィルで共演したときからの楽団員さん達の熱望もあって、今回の出演が、また実現したとのことで、前評判が高く、とても楽しみにしていました
 特に、『交響曲 第1番 ニ長調 <巨人>』の熱演は、最高でした。この曲を好きになってから、1年足らずと、まだ日が浅いので、実際に、ステージで演奏されるのを見るのは初めてでした。この曲は、CDよりも、実際の演奏を耳にした方がいいですね。ステージ裏で演奏されるバンダ、ステージから、はみ出さんばかりの、大編成のオケから奏でられるフルオーケストラの音の迫力。体が震えました。
 それに、初めての演奏が、ゲッツェルさん&神奈川フィルで、本当によかったです。聴いた後、しばらく余韻に浸っていて、家に帰りたくない気分になって、わざと、遠回りして帰っちゃったりしました。
 本日は、聖響さんも、会場に見えていて、演奏を聴かれていました。金沢で演奏会があるので、観にいけないかも…とブログに書いてあったので、あきらめていたのですが、私が座っていた席から、かなり近い席に座られていて、すごくラッキーでした
 ゲッツェルさん、本当に素晴らしい指揮者でした。またの神奈川フィルとの共演を楽しみにしています。
 
 *プログラム*
 モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 K.546
 モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、汝幸いな魂よ」 K.165
 マーラー:交響曲 第1番 ニ長調 <巨人>

 
 今年、2回目のパルテノン多摩へ、行ってきました。
 今年は、去年ほど、石田泰尚さんと山本裕康さんの、ゴールデン・コンビ、Duo的な活動が多くないため、今日のような、オケの演奏会以外で、2人の演奏が聴けるというのは、本当に、貴重なのです。日にちが近づいてくるにつれて、ワクワク、ドキドキしてきて、今朝は、ものすごく早い時間に目が覚めてしまいました
 プログラム前半の、ショスタコーヴィチの『ピアノ三重奏曲 第2番 ホ短調 Op.67』の出だしが、度肝を抜かれました。チェロから始まるのですが、チェロの音域にしては、ものすごく高く、これは、ヴァイオリンの音域なのでは…というくらいでした。これは、かなり難易度が高いんだろうなと思っていたら、後ほど、山本さんが、何人ものチェリストが、沈んでいくのを見たとおっしゃっていました…。あのテクニックを、目の前で見れて、本当に、私は、幸せものです
 後半の、ベートーヴェンの、『ピアノ三重奏曲 第7番 変ロ長調 Op.97 <大公>』は、聴き終わった後、あたたかな気持ちに包まれる、いい曲でした。ベートーヴェンの曲は、ときに、ロックのように激しく、カッコいい一面を持っていますが、まるで、春の陽だまりのような、やわらかく、あたたかい一面もあって、それが、すごくニンゲンくさくて、好きだったりします。石田泰尚さん、山本裕康さん、諸田由里子さんの息も合っていて、ひとつの楽器から、3種類の音が出ているようなカンジもしました。
 今日は、素敵な演奏を聴けただけでなく、後半のはじめに、ちょっとしたトークも用意されていて、おトク感たっぷりでした
 石田さんは、パルテノン多摩へ歩いて来られるほど、近所に住んでいるそうで、山本さんが、「パルテノン多摩で生まれた石田くん」と紹介し、それを受けて、石田さんが、「パルテノン多摩で生まれた石田です」と返すので、ツボにはまりました。そんなワケないのです。だって、パルテノン多摩ができた頃、もう、石田さんは、生まれていたハズなのですから…
 アンコールでは、山本さんが、
 「今日は、アメリカの独立記念日で、フォスターの誕生日でもあります」
 と、話し始めるので、じゃ、アンコールはフォスターの曲かな…?
 と、思いきや、
 「シューマンの『トロイメライ』を弾きます」
 と、続けたので、場内、大ウケでした。
 去年の演奏会で、シューマンのチェロ協奏曲を弾いたあと、
 「今日はシューマンの誕生日です。(しばらく沈黙)
  なので、バッハを弾きます」
 …に通じる、MCで、私のお気に入りリストに、堂々、ランクインしました
 今月は、私にとっては、夢のような1ヶ月になります。
 というのも、今月は、ほぼ、週1〜2日のペースで、2人の演奏会があるからです。
 この月を過ぎると、演奏会の数が半減してしまうので、今月は、思いきり、満喫する予定でいます。
 演奏会のご報告は、順次、アップしていきますので、よろしかったら、お付き合いください

 *プログラム*
 ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲 第2番 ホ短調 Op.67
 ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第7番 変ロ長調 Op.97 <大公>

 *アンコール*
 シューマン:トロイメライ
 クライスラー:ウィーンの小さな行進曲



 

海と海のある街



 今年、横浜は、開港150年を迎えます。
 本日の神奈川フィルの定期演奏会は、それを記念してのプログラム。
 武智由香さんの委託作品のテーマは、「海」。初日を観に行った方のお話では、楽器の配置を変えたりしていて、動いていたそうで、私が、2日目の公開リハーサルを観に行ったときもまだ、手探り感はありました。現代音楽って、こんなカンジなのかなと思っていたら、開演前のプレトークで、楽譜が渡されたのは、リハの3日前だったということが明らかに…
 でも、クラシックの場合、ほとんどの作曲家が、お亡くなりになっているというのに、現代音楽の場合は、実際に、作曲家に確認とかできてしまえるところが強みでもあると、聖響さんもおっしゃっていましたが、新しく生まれた曲を、今まさに、形にして行こうとする過程から仕上がりまで見られるというのは、なかなかない体験で、結構、興奮しました。 
 前半のプログラムのハイドンは、あまり海とは関係がないのですが、個人的に、ヤバかったです。
 今まで、ハイドンの曲は、『驚愕』と『時計』しか知らず、それも、キチンと聴いたことがありませんでした。それなのに、こんなに、ハイドンの曲が気になってしまうなんて…。またしても、聖響さんマジックにかかってしまいました。
 『軍隊』という言葉が表すように、マーチのような打楽器が入ってくるのですが、これが、カワイイ。
 プレトークで、聖響さんが、ハイドンの時代は、重厚感のある音は出なかっただろうから、ワザと、安っぽい、チンドン屋さんのような音にしたとおっしゃっていましたが、それがまた、私の心をくすぐりました
 後半は、ワーグナーの『「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死』。
 トリスタンとイゾルデが、媚薬を飲んで、禁断の恋に落ちるのは、船の中。ちょっと、無理くり感がありますが、「海」にちなんでいるということで…
 美しいメロディなのですが、フワフワした、落ち着かないカンジが、波に揺られているようで、聴いていて、とても、胸が苦しくなってしまいました
 ラストは、まんま、ドビュッシーの『海』。ドビュッシーの曲は、音で絵を描いたような、音に色があるように感じる、キレイな音楽という印象がありましたが、この、『海』、タダモノじゃありませんでした。穏やかな海、荒れた海、すべてを受け止めてくれるような広さを持った海…。いろいろな海が、浮かんでは消えて、見ごたえのある映像作品を見たような印象を受けました。
 公開リハ、ゲネプロと聴いて来ましたが、この曲ほど、本番との差が大きかった曲は、なかったです。
 アンコールのドビュッシーも、キレイな曲でした。公開リハのとき、聖響さんが、楽団員の皆さんに、アンコールをやろうと、「プリーズ」とお願いしているのが、ちょっと、カワイかったです。
 外は、ムシムシした、夏を思わせる天気でしたが、聴き終わった後、横浜の海風を受けながら、とても気持ちよくなりました。聖響さん、神奈川フィル、今日も、最高です

*プログラム*
 武智由香:オーケストラのための オ ルミエール タン
 ハイドン:交響曲 第100番 ト長調 Hob.I-100 『軍隊』
 ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より 前奏曲と愛の死
 ドビュッシー:「海」管弦楽のための3つの交響的スケッチ 

*アンコール*
 小組曲より「小舟にて」

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